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2021/01/15 13:25

SRI LANKA / ラジャマハ・ビハーラ寺院

ラジャマハ・ビハーラ寺院

終戦七十五年祈念 日本スリランカ文化友好芸術祭 - 平和ノ燈  -

 

 

- 知られざる親日国スリランカと日本の絆 -

 

 

インド洋に浮かび、古代から仏教王国として栄えた熱帯の国スリランカ。日本にも輸入され楽しまれているセイロンティーで名高い広大な紅茶畑が広がる高原地帯の朝晩は冷えますが、一年を通して、気温はあまり変化がなく、平均30℃ほどの常夏の島国です。そんなスリランカと日本との結びつきが古くから強いことは残念ながら一般にはあまり知られておりません。日本とスリランカの交流は戦前にまでさかのぼり、昭和天皇は皇太子であられた19213月、訪欧の途中にスリランカに立ち寄り、最大都市であるコロンボの他、世界遺産の寺院や王宮が点在する聖地キャンディーを訪問されました。また、現在の上皇陛下が皇太子であられた19813月には、妃殿下美智子様を伴われ訪問、両殿下はキャンディーにも赴かれ、植物園にて記念植樹をされ、また、新種の蘭に「ミチコ」と命名されるなど、日本・スリランカ友好親善の発展に大きく貢献されました。芸術間の交流もあり、明治の開国以来、幕末外交使節団一行としてヨーロッパに赴く中継地としてスリランカが重宝され、福沢諭吉、森鴎外、夏目漱石、与謝野晶子などがコロンボで旅装を解きました。1993年には日本スリランカ友好文化基金が設立され、発足以来ほぼ毎年、スリランカの前途有望な中堅芸術家及び芸術文化団体の活動支援のため「文化賞」を授与しており、授賞式の模様を全国放送すると共に、日本芸術家との交流の機会ともすべく歌手や日本舞踊家を招致し、日本文化の紹介も併せて実施されています。このように古くからの親交があったからこそ、75年前の太平洋戦争終戦時、スリランカの、故ジャヤワルダナ大統領は1951年に開かれたサンフランシスコ講和会議にセイロン代表(当時蔵相)として出席し、ブッダの言葉を引用して、「戦争は終わった。もう過去のことである。やられたらやり返す、憎しみを憎しみで返すだけでは、いつまでも戦争は終わらない。憎しみで返せば憎しみが日本側に生まれ、新たな憎しみの戦いになり戦争が起きる。憎しみとして返すのではなく、優しさ、慈愛で返せば戦争はなくなり平和になる。もう憎しみは忘れて、慈愛で返していこう」と語りました。そして日本に対する賠償請求権の放棄を明らかにするとともに、日本を国際社会の一員として受け入れるよう訴える演説を行いました。当時、一部の戦勝国からは「日本は南北に分割して統治すべき」、 「日本を独立させるのは時期尚早」等厳しい制裁措置を求める声もあった中、この演説はそうした人々の心をも動かしたと言われ、その後の日本の国際社会復帰への道につながるひとつの象徴的出来事として記憶されています。時代は令和にうつりかわりましたが、二国間の交流は変わらず、令和元年51日、新しい天皇陛下の御即位に伴い、「令和」の時代が幕を開けました。同年1022日に行われた即位礼正殿の儀には、シリセーナ大統領(当時)御夫妻が参列され、日本とスリランカ両国間で培われてきた奥深い友好親善関係を国内外に広く示されました。

 

 

- 戦後75年 芸術・文化による心の交流 -

 

 

このような歴史的、文化的背景をもとに、終戦後の日本を救ってくれた謝意と、国境を超えての文化交流を主眼として「終戦75年祈念 日本スリランカ文化友好芸術祭 平和ノ燈」は開催されました。今回、本展覧会の会場となったラジャマハ・ビハーラ寺院は紀元前に創建されたと言われるスリランカで最も歴史ある由緒正しい古刹です。現在は小・中・高・大学を合わせて4000人以上の子供たちが学ぶ大規模な学校も併設し、国を支える政治家や文化人など多数の人材を育成しており、多くの僧侶、子供たちが集まるスリランカの信仰と教育の中心にもなっています。この寺院の総長であり、学校長も務めるラブガマ・ナーラダ大僧正の全面的協力のもと、開催当日は多くの地域住民、子供たち、文部大臣等の政府関係者等、たくさんの方が会場に訪れ、インターネット上で展覧会の生中継も行われました。また、周辺の学校の生徒たちにもご来場頂き、多くの方が初めて見る日本の短詩型文学に目を奪われ、1時間以上も会場で熱心に眺められている方も少なくありませんでした。親日国であり、日本文化に対しての興味も非常に高く、弊社の想像以上に日本文化受容の土壌が根付いていることや関心の高さを感じ、戦前からの歴史が紡いできた両国の友好を感じることができました。本来であれば20206月に開催される予定の本展でしたが、またたくまに世界に広まった新型コロナウィルスによる影響で会期が延期になってしまい、皆様方にはご不安とご迷惑をおかけしたこと、大変申し訳ありませんでした。当日は徹底的なコロナ対策、除菌、換気対策を行い、安心して貴重な日本芸術作品がご覧になって頂けるよう、最大限の措置をとらせて頂きました。結果、無事に開催終了することができ、嬉しいことにその後も、ご来場者からの喜びの声を頂けております。困難な局面を乗り切り、無事に本展が開かれましたことは、ひとえにご協力頂いた作者の方々のお力添えの賜物であり、誠に厚く御礼申し上げます。今後とも皆様方のご健康と益々の発展を心よりお祈り申し上げます。