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2018/12/14 00:00

外宮参道 Gallery

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伊勢文芸祈念祭 季ノ奏     

2018年 12月14日 - 17日

 

-  伊勢  -

-  最高神に捧げる和の言霊  - 

 ひんやりとした師走の静謐な空気の中、我が国における最高神が鎮座する伊勢の国において、「伊勢文芸祈念祭-季の奏-」が開催されました。

 

 伊勢神宮は、太陽を神格化した天照大神、衣食住の守り神である豊受大御神を、それぞれ内宮、外宮に祀り、合計125もの社宮を神宮と総称する日本最高峰の神社です。

 

 本展示会が行われた期間中には、伊勢神宮の最も重要な祭り「三節祭」の一つ「月次祭(つきなみさい)」が行われ、神宮祭主の黒田清子さんも祭典を奉仕されました。

 

 月次祭は、外宮で12月15日の22時、「由貴夕大御饌」と16日の午前2時、「由貴朝大御饌」の2回、伊勢エビ、アワビ、タイなど約30品目の神饌(しんせん)を奉納し、16日12時に皇室より送られた幣帛(へいはく)を奉納する「奉幣」が執り行われ、内宮でも同様に16日の22時と17日の2時の2回の「由貴大御饌祭」、17日12時「奉幣」が繰り返されます。同25日までの期間に伊勢神宮125社で同様の祭典が行われ、神恩に感謝し、五穀豊穣、国家繁栄、国民の幸福、世界平和への祈りを続けています。

 

 この月次祭を目的に、平成最後の伊勢参りに訪れた全国からの参拝客が溢れ、また、外宮、内宮に点在するパワースポットに訪れる人々も多く、参道沿いに位置する外宮参道ギャラリーも多くの人で賑わいました。

 

 外宮参道ギャラリー内を囲む白壁には、様々な紋様と言葉を彫り込んだ文芸伊勢型紙がずらりと飾られ、中央には華道家が伊勢神宮をイメージした、緑、白、エンジの花々が大鉢に活けられ会場を彩りました。そしてそこを訪れた観光客や若い学生たちに日本の古来からの言葉の大切さや、歴史の語り部である作者の方々が作品にこめた想いを伝統工芸の美しさとともに感じさせていました。

 

 伊勢型紙の地紙には職人には職人の高度な彫刻技術を表現するために、強く伸縮しない和紙が欠かせません。このため、数枚の美濃和紙を柿渋でベニヤ状に張り合わせ、さらに燻製、乾燥をほどこし、半年以上寝かせてようやく完成させたものを使用します。

 

 この地紙に職人が熟練の技法と、数種の彫刻刀を使い、紋様と文字を刻んでいきます。機械を使わず、全て手彫りのため完成までに時間を要しますが、それゆえに手彫りならではの温かみが作者の方々のたどってきた歴史を写した文芸作品と融合し、新たな言葉の伝統工芸へと昇華され、訪れた観光客からの高い注目、関心を集めました。

 

 また、会場前の参道沿いではボランティアの小学生たちが参拝客へ伊勢茶を無料でふるまったり、伊勢神宮クイズを開催していたりと、様々な盛り上がりをみせていました。

 

-  見えないものを信じることのできる日本の心 -

-  なにことのおはしますをばしらねどもかたじけなさになみだこぼるる  - 

 

 鎌倉時代に作られた『新古今和歌集』には西行の歌が94首入っており、個人の歌としては一番多く取り上げられています。

 

多くの優れた歌を残したこの西行が、伊勢に関する歌を数多く詠み、晩年を伊勢の地で過ごしたことはご存知でしょうか。

 

 この歌は、西行が『伊勢神宮』に参拝された時の歌です。伊勢神宮の神さびた神秘の社の雰囲気に深く感動し、かつ驚き静寂の中に凛とした目には見えないもの、耳にも聞こえない不思議な力に深く胸を打たれた。その時の気持ちを詠んだと言われています。

 

 西行が、京都御所の『北面の武士』を退き出家して吉野の奥の西行庵に身を潜めひっそり住んで3年後に西行は旅に出ました。神道の神の気配を感じとって涙したという歌です。心ある日本人ならだれもが共感するのではないかと思います。

 

 伊勢神宮には内宮2000年、外宮1500年の悠久の歴史があります。今回、平成最後の月次祭と同時期に「伊勢文芸祈念祭-季の奏-」が開催できたことはとても喜ばしく、和の言霊の魅力があらためて若い世代の方々の心に伝わったことと感じます。

 

 2019年には平成も30年間の時代に終わりを告げ、新たな時代を迎えますが、真に意味のある言葉は時代を超えても永久不変であることを証明した展示会でもありました。これはひとえに素晴らしい作品を創造された皆様のご経験とお力の賜物であり、心から御礼申し上げます。

 

 今後とも、更なるお力添えを賜りますことをお願いするとともに、皆様のご発展、ご健康をお祈り申し上げます。