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2024-07-01 00:00:00

名古屋 / 熱田神宮

名古屋 / 熱田神宮

熱田芸術祈願祭 「みことの杜」PHOTO GALLERY

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                                      - 熱田神宮 聖剣護る万古の大社 -
                                                         

 例年よりも遅れて迎えた入梅の水無月。湿った空気をやわらげる神苑の杜の中、「熱田芸術祈願祭 みことの杜」を開催させて頂きました。

 熱田神宮は創建約1900年、天皇家の皇位継承とともに代々受け継がれてきた国宝である三種の神器の一つ、草薙御剣(くさなぎのみつるぎ)を御神体として、天照大神を祀り、伊勢神宮に次ぐ、格式の尊い日本を代表する御宮です。JR名古屋駅から電車で10分程とアクセスもよく、黄金のしゃちほこで有名な名古屋城と合わせて、名古屋に来れば必訪の観光スポットでもあります。

 天照大神は、天皇家の祖神ともいわれ、人々に慈しみの徳を与えられる日本の最高神です。又、相殿神として、草薙御剣と縁深い、素戔嗚尊、日本武尊、宮簀媛命、健稲種命の五柱神が祀られています。正面の鳥居をくぐると、大都会の真ん中とは思えない深淵なる森が広がり、神の聖域に足を踏み入れた実感が湧いてきます。約6万坪の敷地の中には本宮・別宮外43社が祀られ、様々な種の和木が生い茂っています。有名なものでは、花が咲いても実のならない「ならずの梅」、茶人の愛好する「太郎庵椿」、弘法大師お手植えと言われる樹齢1,000年を超える大楠などが緑陰を宿しています。

 本宮にお参りするだけでなく、その裏側を一周する「こころの小径」は、2012年まで一般立ち入りが禁止されていた熱田神宮最奥部の神域です。ここには熱田大神の勇壮な神威を表される「荒魂」が祀られている一之御前神社があり、神宮随一のパワースポットとなっています。

 歴史ある熱田神宮も太平洋戦争時の空襲によって国宝の門など、壮麗を尽くした建築も消失してしまいました。しかし、崇敬者たちの熱意によって復興を遂げ、現在ではかつての姿をしのぐ、神器奉斎のお宮に相応しい社殿となりました。さらに名古屋市は現在、熱田神宮の駅前再開発構想を取りまとめており、JR熱田神宮駅前に2024年秋頃開業予定の新たな商業施設の開発が進んでいます。約7,000㎡に木造平屋造りの施設が3棟建設され、飲食店やお土産屋などが軒を連ね、訪日外国人や熱田神宮への観光客の誘致を活性化させます。新名所の誕生により、より一層人の交わる神ノ宮へと新化していくことでしょう。

 

                               - 神に捧げ 人を繋げる日本芸術 -

 

 熱田神宮は長い歴史の中で多数の希少な宝物を寄贈されてきました。その総数は約6,000点、そのうち170余点が国及び、愛知県の指定文化財に登録されています。

その寄贈された宝物から各時代の選りすぐった逸品を展示し、和の伝統の美術性を学べる空間となっているのが、本宮近くに位置する文化殿・宝物館です。今回、神宮の歴史を物語る名品に出会える貴重な場、その文化殿にて、「熱田芸術祈願祭 みことの杜」を開催させて頂きました。

通常の展示施設とは異なり、解放感ある天井高と大窓のある会場中央には、地元名古屋市の華道家による、高さ5mの緑樹と生花をあつらえ、屋内に熱田の杜を表現して頂きました。そして、その周りを囲うように日本三大漆器の一つ、紀州の黒江塗りの飾り盆や、着物の帯地を額に表装したものに詩歌を写し、詩作品や絵画、写真、工芸等の美術作品と合わせて展示致しました。

ちょうど梅雨の入りとなった時期でしたが、参拝者が増える大安の日もはさみ、五月雨の潤いを帯びた樹林の中で、心穏やかに鑑賞できる芸術作品たちは、明鏡止水のごとくその輝きを一層増し、来場者に多くの驚嘆と共感をもたらしました。我々青藍社スタッフへも、たくさんの作品に関する質問を頂き、改めて作品の持つ魅力の深さに驚かされました。お話した方々からは、「私もこういう風に心の内を表現できるようになりたい」、「日本の芸術の良さを改めて感じられました」等、多くの嬉しい称賛の声を賜ることができました。

2024年は、年明けから列島を襲った能登地震や、終わらぬ海外の紛争による物価や為替の影響、政治不信等、テレビのワイドショーではいまだに良いニュースが少ないように感じます。「正直の頭に神宿る」、正直に生きている者には必ず神の加護があると言われます。それだけでなく正しく生きれば周りの人も助けてくれる。熱田大神に参り、来場者の笑顔とそれを繋げてくれた作家様に感謝し、弊社としても初心忘れず、日本の芸術文化普及に邁進する思いを再確認することが出来た催しとなりました。

最後に、本展覧会が無事に成功できましたのは、ひとえに素晴らしい作品を生み出した作家様のお力であることは言うまでもありません。皆様方の益々の発展とご健康を祈り、結びのご挨拶とさせて頂きます。誠にありがとうございました。